研究課題/領域番号 |
19K05810
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊原 さよ子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (80292788)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 嗅覚受容体 / 異所発現 |
研究実績の概要 |
ヒトGタンパク質共役型受容体の約半数を占める嗅覚受容体は、嗅覚組織特有の機能をもつのみならず、その一部は非嗅覚組織にも発現し、発現組織特有の生理機能を持つことが示唆されてきている。しかし、それら非嗅覚組織発現嗅覚受容体の機能を担う生理的リガンドについては不明な点が多い。本研究は、多くの哺乳類で高度に保存され、様々な非嗅覚組織で異所発現する嗅覚受容体について、その生理的リガンド探索を行い、機能解明に繋げることを目的としている。 本年度は、昨年度に引き続き、生理的リガンド探索の基盤となる受容体活性検出系の検討を進めた。既存の検出系において、着目嗅覚受容体はリガンド非存在時における基礎活性が高く、微量な活性の検出に影響をきたすことが判明していたため、基礎活性の影響を排除することが可能なアッセイ系の構築を行った。また、リガンド探索の出発材料とする組織抽出物サンプルの検討を行い、顕著な活性を示した血液サンプルを用いることとした。さらに活性成分の化学的性質を検討して得られた情報をもとに分画方法を検討するとともに、分離精製に必要な液体クロマトグラフィーカラムの選定を行った。活性成分は比較的極性が高い物質であり、血中夾雑物質からの分離精製には順相カラムが有効であることが明らかになった。今後は、有効であることが判明したカラムを組み合わせることにより精製をすすめ、LCMSMS解析により物質同定を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、研究活動に大幅な制限がかかり、進捗に支障をきたした。計画内容そのものに問題が生じたわけではないため、方針そのものの変更の必要はないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた知見をもとに活性成分の分離精製を進め、リガンド同定を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、研究活動に制限がかかり、本年度実施予定でありながら未実施に終わった分について、次年度に持ち越す。未実施分の使用計画は当初の予定通りである。
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