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2020 年度 実施状況報告書

微生物が有する休眠酵素の活性化技術の構築と覚醒メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K05811
研究機関山梨大学

研究代表者

舟根 和美  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90353953)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードキシラナーゼ / カラギーナーゼ / アガラーゼ / Paenibacillus / CIグルカノトランスフェラーゼ / グルカンスクラーゼ
研究実績の概要

昨年度土壌から分離したキシラナーゼ、ιカラギーナーゼ、アガラーゼ生産株および、ポリエチレンテレフタレート(PET)分解菌、ポリスチレン(PS)分解菌の同定を行った。キシラナーゼ生産菌は植物の内部共生菌の1種Klebsiella varricola、ιカラギーナーゼとアガラーゼ生産はいずれもBacillus cereusまたはBacillus thuringensisと同定された。PET分解菌はAcinetobacter baumannii、PS分解菌はStenotrophomonas maltophiliaであると同定された。
PET分解菌とPS分解菌をそれぞれPETまたはPSと少量の窒素源を加えて培養すると、培養液が褐色に変色した。また、培地中のPETとPSの残留物をデジタルマイクロスコープで観察した結果、PETの表面に溝が形成され、PSは辺縁に細い繊維が多数見られ、これらの菌はPETやPSを分解能を有することが示唆された。
ιカラギーナーゼとアガラーゼ生産株として分離した菌株については食中毒菌と同定され、応用には不適切であると判断し、これらについての育種は行わないこととした。
キシラナーゼ生産菌として分離されたKlebsiella varricolaを変異処理した結果、ストレプトマイシン耐性菌に野生株の2倍程度のキシラナーゼ活性の上昇がみられた。昨年度キシラナーゼ活性が上昇したPaenibacillus agaridevorans のrsmG変異株YT370及びrpoB変異株YT510について、リアルタイムPCRで、Xylanase Yおよびβ Xylanase遺伝子(推定)の発現解析を行ったところ、いずれの遺伝子も野生株よりも発現量が増加する傾向にあった。
新たに環状イソマルトオリゴ糖に糖鎖を導入するグルカンスクラーゼを生産する乳酸菌も見出し、本酵素遺伝子の発現解析も試みた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スクリーニングした菌の同定を行うことができた。スクリーニングで得られたキシラナーゼ生産菌および変異株の取得、昨年度得られたキシラナーゼ活性が上昇したPaenibacillus agaridevorans抗生物質耐性変異株の解析についてはおおむね計画通り進捗している。アガラーゼ、カラギーナーゼ生産菌は、スクリーニングで得た菌株が食中毒菌であったため、応用研究に進むことを断念した。PETおよびPS分解菌については分解能は確認できたが、活性は低く、育種はまだ成功していない。コロナ禍で屋外の活動に制限を受ける事態となり、新たなスクリーニングができなかったのは予想外であったが、保有している乳酸菌から環状イソマルトオリゴ糖への糖鎖付加を行うユニークなグルカンスクラーゼを保有する菌株が2株得られた。

今後の研究の推進方策

Paenibacillus agaridevorans抗生物質耐性変異株のさらなるキシラナーゼ活性上昇に向けての育種と、発現が上昇した推定Xylanase Yおよびβ Xylanase遺伝子産物を解析する予定である。PETおよびPS分解菌については、引き続き育種を試み、PETやPSの分解産物を解析する予定である。環状イソマルトオリゴ糖への糖鎖付加を行うグルカンスクラーゼ生産菌については、本酵素遺伝子の発現解析および菌株の育種を行い、分岐環状糖生産に応用できる変異株の取得を目指す。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 環状イソマルトオリゴ糖含有品 CI-Dextran-mixを用 いた難溶性物質可溶化法の開発2020

    • 著者名/発表者名
      舟根 和美、本多 智栄子、山内 茉依、坂井 真知、日野 志朗
    • 学会等名
      日本応用糖質科学会

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公開日: 2021-12-27  

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