生物活性物質を化学合成により充分量供給するには、酵素触媒科学的手法、純有機合成化学的手法、天然に豊富な配糖体などからの「半合成」のそれぞれが優位性を示す局面を充分に理解し、相乗的な組み合わせが大切である。本研究では、市販で入手容易な出発物質を適切に化学変換し、それらに市販で入手容易な酵素触媒を組み合わせる、効率良い合成経路の確立・実践した。1)鎖状ポリオールや環状ポリフェノールを基質とし、市販・入手容易なリパーゼ触媒によるアセチル化・脱アセチル化や化学的手法など位置選択的変換を検討した。2) 配糖体を出発原料とし、糖鎖部位の選択的変換や、糖鎖部分をアグリコンの保護基とする選択的変換を検討した。
|