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2019 年度 実施状況報告書

根寄生植物による超高感度ストリゴラクトン認識メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K05852
研究機関明治大学

研究代表者

瀬戸 義哉  明治大学, 農学部, 専任講師 (40620282)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードストリゴラクトン / 受容体 / 加水分解酵素 / HTL
研究実績の概要

本研究においては、根寄生植物ストライガが宿主由来の発芽促進因子であるストリゴラクトン(SL)分子を感度良く認識できる分子機構を解明することを目的としている。ストライガが多数所持しているSL受容体の中でも、HTL7はSLに対する感受性が他の受容体と比較して突出して高いことが明らかとなっている。一方で、HTL8は、HTL7との相同性が最も高いにも関わらず、HTL7のような超高感度なSL感受性を示さないことから、両者の比較をすることにより、感受性を決定する要因を同定することが出来ると考えられる。
初年度は、HTL7、HTL8に関して、組み換えタンパク質を用いた生化学試験を行うためのタンパク質発現系を整備し、幾つかの生化学試験を行った。しかしながら、現時点では、生化学的に両者の感受性の違いを説明できるような結果は得られていない。
一方で、両者の間で異なるアミノ酸配列のうち、リガンド結合ポケット周辺のアミノ酸に着目し、HTL7をベースにHTL8型に変異を導入した変異導入型HTL7を幾つか作成し、シロイヌナズナのhtl変異体背景で発現する組み換え体を作成した。これらの組み換え体を用い、高温発芽阻害時にSL依存的に発芽が回復するアッセイ系を利用することで、変異導入型受容体の機能を評価した。その結果、一つの変異体を導入した組み換え植物においては、SLに対する感受性が顕著に低下することを見出した。よって、この受容体において変異を導入したアミノ酸こそが、超高感度なSL認識に直接関与するアミノ酸である可能性が高い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生化学的にHTL7とHTL8の差異を見極める研究は、現時点で良好な結果が得られていない一方で、感受性に関わるアミノ酸をin vivoの試験で直接的に探索する研究においては、候補となる有力なアミノ酸を既に見出すことが出来ている。当初の予定では、両者の間で異なる45アミノ酸のうち、リガンド結合ポケット付近に存在する10残基程度を有力候補にあげていたが、初年度の研究で、そのうち特に有力なアミノ酸が絞り込めた点で、全体的な進捗としては順調であると判断する。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続き生化学試験により、HTL7とHTL8における差異を明らかにしていく。この際、既に同定した、感受性に関わると考えられるアミノ酸を変異したHTL7についても組み換えタンパク質を作成することで、点変異の導入が少なくともタンパク質の安定性などに大きな影響を及ぼしていないかなども確認を進めていく。
また、in vivoでの試験においては、HTL7に変異を導入したその他の変型受容体の解析を進めると同時に、HTL8をベースにHTL7型の変異を導入することにより、受容体のSL感受性を強化することが出来るかについても実験を進めていく。HTL8の感受性をHTL7レベルにまで強化することが出来れば、極めて直接的に感受性を制御するアミノ酸を同定したということが出来るため、本研究についても精力的に進めていくことを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Genome Sequence of Striga asiatica Provides Insight into the Evolution of Plant Parasitism2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Satoko et al
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 29 ページ: 3041~3052.e4

    • DOI

      10.1016/j.cub.2019.07.086

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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