がん治療における薬剤耐性の問題を解決することは急務である。近年、 抗菌ペプチドである DCD が薬剤耐性に関与していることが報告され注目を浴びているが、その詳細なメカニズムは未だ判っていない。今回 SQ の構造変換体を用いて複数の新規化合物の取得に成功した。これらはいずれもメラノーマ細胞に対して選択的に活性を示したことから、 SQ と同様に DCD を標的にしていると予想される。よって、この未解明な DCD の働きを解明する上で重要な阻害物質を複数取得できたことは、学術的意義が大きい。また、複数の新規物質を見出せたことより、新規機能性物質の探索源として海洋由来微生物の有用性が改めて示された。
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