研究課題
基盤研究(C)
根分泌物中にあると予想される「植物生長低減抑制活性」の精製と同定に向けて、まず主根伸長を指標に、活性を検出するバイオアッセイ系を構築した。続いて同活性の多段階分画を行い、バイオアッセイにより活性画分を探索した。さらに活性画分に含まれる化合物をLC-MSおよびGC-MSにより分析した。その結果、複数の活性候補化合物を見出し、そのうち2種類については詳細な構造情報を得た。
植物生化学
植物と土壌微生物の相互作用に関する研究の多くが、植物1個体を観察対象にして微生物との相互作用に着目してきた。本研究によって、土壌微生物の作用を受けた植物の複数個体間において隣接個体の生長を支える新しい相互作用があること、同活性が根分泌物に含まれること、さらに同活性を示す候補化合物が絞られた。今後同活性化合物が同定されれば、植物の「群れ」として振る舞い・生存戦略を分子レベルで解明するための重要な知見となることが期待される。