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2020 年度 実施状況報告書

生命機能の観測に有望な化合物のPETプローブ開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K05859
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

喜田 達也  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (70641968)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードPETプローブ開発 / 生物有機化学 / 抗がん剤
研究実績の概要

本研究は、生命現象の解明に有用なPETプローブの開発、さらには、PETプローブ合成に必要となる有機反応の開発を行うことを目的として推進させた。fatostatinのPETプローブ開発 に関しては、まず、標識前駆体の合成に取り組み、有機ハロゲン化物を原料として有機スズ化合物を合成することができた。これらを標識前駆体としてPETプローブ化を行ったところ、目的物のシグナルを確認することができた。本PETプローブは将来的に小動物PETイメージングを行うことを目的に動物投与を行うことを想定しているため、合成したPETプローブの純度の向上さらには比放射能等のデータを収集した。本年度において、分離精製条件を最適化させた結果、放射化学純度、化学純度ともに動物投与に耐えうる高純度のPETプローブを得られた。合成したPETプローブの収量に関しては、目的物の放射能が約200 MBq程度であったため、反応条件の最適化を行い改善していく必要性を確認した。また、本化合物のPETプローブ開発に関しては、収量の向上を目的に標識前駆体として有機ホウ素化合物を用いることも検討している。そのため、本研究において有機ホウ素化合物の合成も検討していく計画である。本PETプローブの合成に関する成果は国内学会への発表に向けて準備を進めた。JI051のPETプローブ化に関しては、標品の合成には成功したが、必要となる標識前駆体の合成が当初の計画通りに進まなかった。このため、合成計画を練り直して目的とする化合物の合成を引き続き検討していく予定である。標識前駆体の合成が完了出来ればPET放射性条件下での実験に展開させていく計画である。さらには、JI051の合成で得られた知見をもとにして JI130の合成にも取り組んでいく計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

FatostatinのPETプローブ化に関しては当初の計画通りに成功できたため、将来的に本PETプローブを用いた小動物PETイメージング研究への展開を考慮し、純度を向上させる目的で分離精製の条件の最適化等を検討した。JI051に関しては標識前駆体の合成に取り組んだが計画通りに目的物を得られるには至らなかった。本件に関しては、引き続き検討していく予定である。これらを考慮して、当初の計画と比べ現在の進捗状況はやや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

PETプローブ化が成功した化合物に関しては、将来的に小動物PETイメージング研究を実施することも視野に入れて目的物のさらなる収量の向上を目指す。標識前駆体の合成が計画通りに進んでいない化合物に関しては、合成経路を再度検討し、目的物を合成できるように実験を精細に行っていく。

次年度使用額が生じた理由

標識前駆体の合成が予定より遅れているため、PET放射性条件下での実験が計画よりも少なかった。そのため、施設の使用料が抑えられた。次年度に標識前駆体を合成したうえでの使用が適切であると考えた。

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公開日: 2021-12-27  

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