マウスの妊娠期糖質制限による次世代の肥満・糖代謝改善作用に、腸内細菌叢変化が関与する可能性を検証した。妊娠後期に対照食または糖質制限食を給与したマウスから出生した仔マウスの離乳直後の糞便を用いて腸内細菌叢解析を行ったところ、糖質制限群の腸内細菌叢は対照群とは異なるクラスターを形成していた。そこでこの腸内細菌叢を無菌マウスに移植し高脂肪食を負荷したところ、対照群と比較して糖質制限群では有意な体重および内臓脂肪重量の低下、経口糖負荷試験における血糖値の有意な低下が認められた。以上の結果より、妊娠期糖質制限により認められる次世代の肥満・糖代謝改善作用は、腸内細菌叢の変化を介していることが示唆された。
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