• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

シングルセル解析による霊長類味覚受容機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K05869
研究機関東京農業大学

研究代表者

岩槻 健  東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (50332375)

研究分担者 早津 徳人  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (80543058)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード味蕾 / 霊長類 / オルガノイド
研究実績の概要

我々はこれまで、マウス味蕾を採取し1細胞RNA-Seqにより、味蕾が他の上皮細胞と別のクラスターを形成することを確認した。その結果、I型、II型、III型味細胞は遺伝子マーカーにより明確に区別されることがわかり、本研究を支える基礎となった。今回、サル有郭乳頭由来の味蕾オルガノイドを用いて、1細胞RNA-Seq解析を行ったところ、7つの独立したクラスターに分けられ、そのうちの7番目のクラスターに、GNAT3、GNB2、TAS1R1、TAS1R3などII型味細胞のマーカが多く見られた。一方、マウスの有郭乳頭の結果のようにI型、III型味細胞のマーカーは顕著に検出されなかった。これは、げっ歯類と霊長類間で味組織のマーカーが異なるためか、サル味蕾オルガノイドではI型およびIII型のマーカーが出現しないかのいずれかであると思われる。III型マーカーであるOTOP1(酸味受容体)の発現細胞はサル味蕾オルガノイドから確認はされているが、まとまったクラスターとして存在しないことから、霊長類とげっ歯類の間ではIII型細胞の機能も異なることも考えられる。
今回の研究は、これまで解析されてきたマウスにおける味細胞マーカーを参考に、サル味蕾でも同様のマーカーが発現していることを前提にしていたが、本研究結果により、これまでのマウスにおける味細胞マーカーは霊長類には単純に当てはめられないことが判明した。今後は、霊長類の味蕾を研究するためには、マーカー探索と抗体などのツールを充実させなければならい。
今回の研究をベースに、ヒトをはじめとする霊長類の味蕾についての基礎的理解が進み、超高齢化社会におけるQOL改善のための応用研究が開始されることが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] Generation and characterization of endoderm-derived chemosensory cells from non-human primates2022

    • 著者名/発表者名
      岩槻健
    • 学会等名
      International Symposium on Affective Science and Engineering 2022
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 消化器における栄養素と危険物のセンサー2021

    • 著者名/発表者名
      岩槻健
    • 学会等名
      第107回 日本栄養・食糧学会関東支部シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] オルガノイド培養用法を用いた消化器味センサー細胞の機能解析2021

    • 著者名/発表者名
      岩槻健
    • 学会等名
      第30回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi