本研究課題では日本ワインの酒質向上を目標とし, 1つの対策として微生物汚染に対する①MBAワインの酒質評価と②微生物汚染(産膜)抑制に有効な成分を探索することを目的とした。①では,微生物由来のオフフレーバーに市販MBAとMRワインとで有意差はなかったが,微生物試験によりMBAワインの方が産膜汚染を受けやすいことを明らかにした。②では,産膜形成しにくいワインではエタノール,総ポリフェノール,タンニン濃度が高いことが主成分分析により明らかになり,産膜抑制にポリフェノールやタンニンが寄与する可能性が考えられた。産膜抑制成分については,引き続きカラムクロマトグラフィーによる分離精製を試みている。
|