本研究では、組換えヒト酸化LDL受容体を用いて糖鎖リガンドやヒト酸化LDLとの相互作用を解析することを目的として研究を行った。N末端側にFLAGタグ、ヒスチジンタグ、緑色蛍光タンパク質を付加したヒト酸化LDL受容体の細胞外領域についてカイコ-バキュロウイルス発現系で可溶性組換えタンパク質として大量調製し、アフィニティー精製を行い、天然型と同じように二量体として発現していることを確認した。組換えヒト酸化LDL受容体の糖結合特異性を競合的固相結合アッセイにより解析し、グルカン結合特異性を解明した。 続いて本組換えヒト酸化LDL受容体のグルカン結合特異性およびヒト酸化LDLとの相互作用をプルダウンアッセイにより解析した。その結果、特定濃度のヒト酸化LDL、抗ヒトApoB抗体、Protein G磁気ビーズの組み合わせにおいて効率よくヒト酸化LDLが沈降し、ヒト酸化LDL受容体の細胞外レクチン様ドメインとヒト酸化LDLの相互作用解析および各種グルカンによる結合阻害活性解析が可能であることが明らかとなった。
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