研究課題/領域番号 |
19K05899
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
山本 由似 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (80635087)
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研究分担者 |
大和田 祐二 東北大学, 医学系研究科, 教授 (20292211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | FABP3 / 抑制性介在ニューロン / GAD67 / GABA / FABP / ペリニューロナルネット |
研究実績の概要 |
発育期(胎児期から乳幼児期)の脂質恒常性の変化と、成長後の神経可塑性異常の関連が示唆されている。本研究では、発育期の環境変化に特に脆弱な抑制性介在ニューロンにおける、脂質代謝異常と神経可塑性変化の関連性を検証するため、脂肪酸代謝制御に重要な役割を果たす脂肪酸結合蛋白質(FABP)に着目した。 本年度の研究では、発育期の環境変化の影響を特に強く受けることが知られている、前帯状皮質の抑制性介在ニューロンに特異的に発現している、FABP3の遺伝子欠損(KO)マウスを用いた検証を行い、以下の結果を得た。 1.生後20日のFABP3KOマウスの前帯状皮質では、Wisteria floribunda agglutinin(WFA)レクチン結合性のペリニューロナルネット陽性細胞数の増加が観察された。抑制性介在ニューロンのマーカーであるパルブアルブミン陽性細胞の総数は変化がなかったものの、パルブアルブミン強陽性細胞数が減少し弱陽性細胞数が増加していた。 2.生後70日のFABP3KOマウスの前帯状皮質では、WFAレクチン結合性のペリニューロナルネット陽性細胞数の増加が観察された。パルブアルブミン陽性細胞の総数は変化がなかったものの、パルブアルブミン強陽性細胞数及びパルブアルブミンタンパク発現量は有意に増加していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、ペリニューロナルネット形成とFABP3の関連について、定量的な解析を進めることができた。上述の研究成果はすでに学会で発表を行っており、おおむね順調に進展しているものと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
計画書通りに研究を推進する。特にセルソーターを用いた解析が不十分である。GAD67陽性細胞を単離し、網羅的なエピゲノム解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究では、セルソーターを用いた解析に着手していないため、未使用額が生じた。
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