16種の乳酸菌を用いて調製した豆乳の乳酸菌発酵ろ液(本ろ液)が複数の有用作用を示すことを明らかにしてきた。本研究では5週齢の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルマウスに、本ろ液の凍結乾燥粉末を混合した高脂肪飼料を 4週間与えた。その結果、対照群よりも肝重量と血漿TG値が低下し、NAFLD activity scoreの減少や脂質の沈着の抑制、炎症性細胞の浸潤の減少が見出され、本ろ液に脂質代謝やNASH病態に対する改善作用があることが示唆された。この作用機序を検討する中で、本ろ液が肝臓の脂質合成系遺伝子の発現量を部分的に変動させたことと、プレバイオティクス作用を示すことが明らかになった。
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