高静水圧下で玄米に水を添加して加温処理すると糠層(種皮や胚芽)の成分が白米中に移行することを見いだした。処理時に糠層から胚乳部(白米)に移行する成分を単離・同定すれば、玄米に含まれる新規な機能性成分が発見できるものと予想した。本研究では、二糖類分解酵素の一つであるマルターゼ阻害活性を指標に米糠メタノール抽出物から活性成分を検索した。各種クロマトグラフィーにより活性画分を分離、精製した結果、3種のスクロースヒドロキシ桂皮酸エステル及び二糖にフェルラ酸が結合した化合物を単離した。これらの化合物がマルトース阻害活性を示すことの報告は初めてであり、血糖値低減効果に寄与していることが示唆された。
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