研究課題/領域番号 |
19K05912
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
都築 巧 京都大学, 農学研究科, 助教 (50283651)
|
研究分担者 |
真鍋 祐樹 京都大学, 農学研究科, 助教 (20730104)
山崎 正幸 龍谷大学, 農学部, 教授 (80397562)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | CD36 / SR-B1 / 食品有香成分 / 脂肪族アルデヒド / 模擬受容体ペプチド / 特異的結合 / GST融合タンパク質 / 三次元構造 |
研究実績の概要 |
我々はこれまでに脂肪又は蝋の匂いのする脂肪族アルデヒドが哺乳動物鼻腔内にてB型生体浄化受容体ファミリーのメンバー cluster of differentiation 36 (CD36) 及び scavenger receptor B1 (SR-B1) により認識・捕捉されるという証拠を提出してきている。本研究では、アルデヒド基不含でかつ脂肪/蝋の匂いのする食品有香物質が CD36, SR-B1 と相互作用するかを検証し、上記の匂いと両受容体リガンド活性の相関を見極めることを目的のひとつとする。また、両者の直接的相互作用を支持する確定的情報の提出も目指す。令和 1-2 年度、既知リガンドおよびリガンド候補と模擬受容体ペプチドが直接的に結合しているかを評価するための2つのアッセイ系の構築を考案、実施してきた。一方の評価系は固定化CD36及びSR-B1ペプチド(及びそれぞれの陰性対照ペプチド)にリガンド候補を加え、有機溶剤による抽出後、液体クロマトグラフィーーマススペクトルメトリーで測定するというものである(直接法)。他方は蛍光標識化した模擬ペプチド及びその陰性対照ペプチドにリガンドを添加し、蛍光の増強を測定するものである(蛍光増強法)。この間、直接法にてB型生体浄化受容体と既知リガンドの相互作用について立証することができなかったが、蛍光増強法にて、トリデカナールなどの脂肪族アルデヒドや蝋の匂いのする揮発化合物である酢酸テトラデシルなどの脂肪族エステルがCD36と直接的に相互作用することを見出した。令和3年度はさらなるリガンドの探索を試み、脂肪/蝋の匂い(香調)とCD36リガンド活性は相関 (香調ー活性相関)することを支持する結果を得た。また、CD36 と glutatione S-transferase の融合タンパク質を調製し、その結晶化を試みた。
|