研究課題/領域番号 |
19K05914
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
清水 美貴子 就実大学, 薬学部, 教授 (90396391)
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研究分担者 |
橋口 正行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10271355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プロバイオティクス / リウマチ / 薬物動態 / メトトレキサート / microbiome therapy |
研究実績の概要 |
本研究では、慢性関節リウマチ(Rheumatoid arthritis;以下RA)に対するmicrobiome therapyの臨床的有用性を明確にすることを目的に、1. 抗RA効果発現機序の解明、2. in vivoでの抗RA効果とMethotrexate (MTX)との併用効果の検証、3. 抗RA効果発現成分の探索、4. 医療経済学的評価、の観点から包括的な評価を行っている。本年度は、以下の点について研究を遂行した。プロバイオティクスとして、代表的な腸内細菌であるLactobacillus属のL.caseiと、その整腸作用により“特定保健用食品”として市販されているBifidobacterium属の菌種(Bif)を用いた。 1. プロバイオティクスの抗RA効果発現機序の解明 RAモデルとして、RA患者由来ヒト滑膜細胞(human fibroblast-like synoviocytes-rheumatoid arthritis;以下HFLS-RA)を用いた。プロバイオティクスの暴露により、骨破壊・細胞遊走・湿潤関連遺伝子の発現量が有意に減少した。また、シグナル伝達経路抑制に起因する細胞遊走抑制および細胞増殖抑制効果も認められた。 2. RA治療におけるプロバイオティクス摂取の医療経済学的評価 国内外におけるRA治療の現状、医療経済学的な情報等に関し、文献の検索・収集を行い、得られた情報の整理、統計的解析を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、研究代表者および分担者の所属機関において、研究活動の制限やオンライン講義等の対応により、研究エフォートが著しく低下した。また、研究試薬や研究機器部品等、特に海外からの輸入商品に納品の遅れが目立った。更に、研究分担者が令和3年度途中から、所属機関を異動したため、分担研究を中断する必要が生じた。 従って、かなりの遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoでの抗RA効果およびMTXとの併用効果とその機序について検討を行う。 また、抗RA効果発現成分の探索を行う。 新型コロナウイルス感染が終息しない中、本年度も研究活動への影響が否めないが、優先順位をつけて、効率的に研究を遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
”現在までの進捗状況”の項に記載した様に、コロナ禍および研究分担者の所属機関異動に伴い、研究の遅延が生じ、予算の繰り越しが生じた。 次年度は、in vivoでの抗RA効果およびMTXとの併用効果とその機序、さらに、抗RA効果発現成分の探索の為に予算を使用する。
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