研究課題
本研究では、マウスモデル系を用いて経皮感作しうる食品タンパク質について、その同定を行うことにより、経皮感作されやすいタンパク質の特性について検討するとともに、経皮感作に影響しうる要因を解明し、経皮感作を抑制しうる食品・栄養因子を明らかにすることを目的としている。また、このような食品中のアレルゲンについて、そのリスク変動要因の解明についても検討する。今年度は、チェリーやキウイを塗布した際の経皮感作抗原の同定に成功した(論文準備中)。また、遺伝子組換え大豆の経皮感作能に関しても検討を行っている(論文準備中)。その他、米ぬかが経皮感作することも見いだし、その原因抗原の同定を進めている。さらに、ソバやゴマなどの植物性食品に関しては現在、経皮感作抗原の同定を進めている(論文準備中)。経皮感作に影響を与える因子の検討についても、抗原濃度、共存する界面活性剤の濃度、皮膚バリアの破壊度合い、共存する食品由来成分などによって影響を受けることを明らかにしつつある。今年度は特に、除毛クリームの経皮感作に及ぼす効果について検討した。これらの検討によって、安定的に経皮感作しうる条件の絞り込みを進めている。また、これらの経皮感作抗原を含むアレルゲンの変動解析では、大豆について、遺伝子組換え大豆における主要アレルゲンの存在レベルを非組み換え大豆と比べることで検討したところ、遺伝子組換え大豆における主要アレルゲンレベルは非組み換え大豆と有意な差は見られないことを報告した。さらに、経皮感作に影響を及ぼす皮膚バリア関連タンパク質について、その分解をモニターしうる実験系を構築し、いくつかの食品成分がこれらの皮膚バリアタンパク質を分解しうることを見いだした。このように、研究は順調に進んでおり、次年度でも引き続き論文発表を進める予定である。
1: 当初の計画以上に進展している
複数の食品タンパク質の経皮感作を確認し、それらの経皮感作抗原の同定を進めることが出来た。また、関連する論文の投稿も行った。
主要な食品における経皮感作抗原の同定について、さらに進めていくと共に、生体側の条件によって経皮感作能がどのように異なるか、検証していく。
試薬一点の発注、納入が、感染症拡大の影響で期限内に間に合わなくて発注できなかったため。新年度に発注予定である。
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