研究実績の概要 |
wound-healing assayおよびtranswell invasion assayにおいて、高い遊走抑制効果、抗浸潤能を示した5種類の化合物(4Ac-Q, 4AC-K, 5Ac-M, 2Ac-A, 3Ac-A)を用いて、transwell migration assayを実施した。同時に、これらの転移抑制効果がアポトーシス誘導による細胞死に基づく結果であるかを評価するために、フローサイトメトリーを用い、アポトーシス誘導の定量を行った。結果、4AC-K, 2Ac-A, 3Ac-Aが高い転移抑制効果を示し、その中でも3Ac-Qはアポトーシスが誘導されない濃度においても、優位に転移抑制効果を示すことが明らかになった。そこで、低濃度で転移抑制能を顕著に示した3Ac-Qおよびその親化合物であるアピゲニンを用い、転移性の強いがん細胞であるMDA-MB231(ヒト乳腺がん)細胞の内皮細胞に対する接着能の抑制効果試験を実施した。さらに、ヒヨコ漿尿膜(CAM)法を用い、MDA-MB231細胞のエクソソームによる血管新生促進効果とフラボノイド類による抑制効果の関連性を測定した。結果、アピゲニンアセチル誘導体はアピゲニンより接着抑制能も高いことが明らかになった。一方、MDA-MD-231細胞由来のエクソソームにより新たな血管の形成が顕著に増加し、それらがアピゲニンのアセチル誘導体で若干ではあるが抑制されることは確認できたが、CAM上でのエクソソームの視覚化が研究期間内に樹立できなかったため、詳細なメカニズム解明には至らなかった。
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