研究課題
本研究では、腐敗食品の指標となる細菌種の選抜とその簡易検出システムの構築を目的とした。昨年度までの研究で、洋菓子や食肉、惣菜の腐敗指標となり得る細菌全般や大腸菌群を検出するためのイムノクロマトアッセイ(LFIA)法を構築した。本年は、乳酸菌を検出するためのLFIA法の構築を試みた。乳酸菌Fructilactobacillus sanfranciscensisまたはLevilactobacillus brevisを抗原に用いて得た抗体を使用してLFIAを実施したところ、各々抗原に用いた菌種しか検出せず、汎用性が得られなかった。乳酸菌Lactiplantibacillus plantarumを抗原に用いて得た抗体を使用してLFIAを実施したところ、L. plantarumのみならず、Leuconostoc属、Pediococcus属、Weissella属など多くの種類の乳酸菌を検出した。このLFIAでは、乳酸菌のみならず、幅広いグラム陽性菌と陽性反応を示してしまった。そこで、半導体pHセンサーを用いた酸産生能試験を併用し、その試験で陽性(pH陽性)かつLFIA陽性になる菌を「乳酸菌陽性」と判定したところ、13属23種の乳酸菌を限定的に検出できた。新鮮な食品(調理済みサラダ、調理済み野菜、洋菓子、ハム、食肉など)とそれに相当する腐敗した食品を0時間、12時間、24時間培養し、各々何時間培養したときにLFIA陽性かつpH陽性になるか調べた。消費期限を過ぎて乳酸菌数の増加がみられた51食品のうち、42食品で腐敗食品のほうが新鮮食品よりも短い培養時間でクロマト陽性かつpH陽性となった(腐敗検出率:82%)。アンプリコン解析により、結果の妥当性を検証したところ、腐敗と判定された食品ではLeuconostoc citreumやLeuconostoc gelidumなどの乳酸菌が検出された。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Microbiological Methods
巻: 209 ページ: 106730~106730
10.1016/j.mimet.2023.106730