本研究では、植物の葉緑体から核に情報を伝える「プラスチドシグナル」による遺伝子発現制御の普遍性と多様性を明らかにすることを目的とした。プラスチドシグナルによる核遺伝子発現制御を効率的・安定的にモニターするための実験系を構築し、特にアセチル化やメチル化によるヒストン修飾の変化を介したエピジェネティックな制御も下流応答に寄与することが示され、プラスチドシグナル伝達に関する新たな仕組みを明らかにすることができた。また、葉緑体と概日時計制御の関係や、光合成微生物におけるプラスチドシグナルについても一定の知見が得られ、プラスチドシグナルの多様性についても理解を深めることができた。
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