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2021 年度 研究成果報告書

胃上皮オルガノイドを用いた平面内細胞極性動態解析系の創出による胃発がん機序の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 19K05945
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分38060:応用分子細胞生物学関連
研究機関東京大学

研究代表者

金光 昌史 (高橋昌史)  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00624496)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードWntシグナル伝達系 / 平面内細胞極性 / ヘリコバクター・ピロリ / CagA / PAR1b / Hippoシグナル伝達系
研究成果の概要

ピロリ菌のがんタンパク質CagAが、Wnt-平面内細胞極性シグナルを撹乱することを明らかにした。CagAによる平面内細胞極性シグナルの撹乱は、CagAのN端側ドメインと平面内細胞極性シグナルのコア分子の結合が重要であった。 頂底細胞極性の制御キナーゼPAR1bの基質としてBRCA1を同定した。CagAはPAR1bの活性を阻害することで、BRCA1の核内移行を阻害し、DNA損傷の相同組換え修復を抑制した。 ヒトのYAP1遺伝子は選択的スプライシングにより8種のアイソフォームを発現する。第6エキソンに対応する領域を持つYAP1と持たないYAP1の間で、造腫瘍性活性が異なることを明らかにした。

自由記述の分野

分子腫瘍学、分子生物学、細胞生物学、細胞内シグナル伝達

研究成果の学術的意義や社会的意義

頂端細胞極性に関わるPAR1bがゲノム安定性を制御することを示した。PAR1bはYAP1を介したHippoシグナルや平面内細胞極性の制御に重要である。本研究では、ピロリ菌のCagAによる「頂端/平面内細胞極性ーDNA傷害の修復ーHippoシグナル」の機能連関の撹乱を示した。病理学・疫学的な解析から、ピロリ菌/CagAは胃発がんに不可欠である。多段階発がん過程を経た胃のがん部にはピロリ菌は存在しないことから、CagAの注入が胃のがん化を開始する一方で、胃がん形成後にはCagAは不要であると考えられてきた(Hit and Run型の発がん)。本研究は世界に先駆けてこの機序を明らかにした。

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公開日: 2023-01-30  

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