研究課題
基盤研究(C)
オオムギのleafy lemma突然変異体は3つの遺伝子が揃って葉状化する表現型が現れることを、交雑実験により解明した。そのうち1つは4H染色体長腕に座乗する短芒遺伝子lks5であり、イネのOsMADS1 /LHS(leafy hull)遺伝子のオーソログであることを解明した。また、残りの2遺伝子は4H染色体長腕のlks5よりもさらに端部に位置すること、また、3遺伝子目は2H染色体長腕に位置することを遺伝マッピングによりこれまでに明らかにした。
遺伝育種科学
オオムギの芒は穂先の針状器官で、種子が鳥獣害を受けるのを防ぐのみならず、オオムギでは葉緑素を多量に蓄積し、活発に光合成を行う重要な同化器官である。芒はイネ科に固有の器官で,他の植物にはみられないことから、世界的に重要な作物であるオオムギで芒の役割を研究する意義は大きい。芒は本来は葉が転換して生じた器官と考えられ、その進化的な発生起源を解明するのに、芒が葉に先祖返りした、leafy lemma突然変異体の解析は意義が大きいと考える。