研究課題
基盤研究(C)
パンコムギにおいて、グリアジンは種子貯蔵タンパク質の一つであり、小麦粉のグルテンの構成成分である。グリアジンをコードする遺伝子のコピー数は特に多く、一部がアレルギーの原因となる。本研究では、パンコムギにおける種子貯蔵タンパク質遺伝子それぞれの発現を制御する転写因子を特定すること、また、グリアジンを制御する転写因子の改変により、低アレルゲン化した小麦粉を産生できる系統を作出することを目的にゲノム編集を行った。
植物ゲノム科学
コムギは重要作物であるが、アレルギーや自己免疫疾患の原因として問題となる。コムギでもゲノム編集技術が使えるようになったが、アレルギーの原因となるグルテンタンパク質をコードする遺伝子はゲノム中で高度に重複して存在するため、個別にゲノム編集することは現実的でない。本研究では、転写因子のゲノム編集により包括的に多重遺伝子の発現制御を行うことで、低アレルゲン小麦系統作出に向けた方略を提案できると考える。