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2021 年度 実施状況報告書

イネおよびコムギの子実成長における塩耐性の解明と品種多様性

研究課題

研究課題/領域番号 19K05995
研究機関島根大学

研究代表者

小葉田 亨  島根大学, その他部局等, 名誉教授 (60186723)

研究分担者 平井 儀彦  岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (80263622)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードイネ / コムギ / 耐塩性 / 塩害 / 子実成長 / 品種間差
研究実績の概要

耐塩性と非耐塩性イネとされているジャポニカの野生型と耐塩性形質導入系統、インデイカの耐塩性の異なる品種の合計4品種を出穂後一週間から7日間異なる培地NaCl濃度(0~12 mM)で穂培養した。その結果、差は大きくないものの感受性品種の籾の充填率(穂当たり玄米重/受精籾の潜在玄米重)は塩濃度の増加と共に低下するのに対して、耐塩性品種では低下がほとんど見られなかった。これらからイネでは品種にかかわらず子実成長は塩濃度に対して比較的耐性があるものの塩濃度に対する品種間差があることが示唆された。これらの品種の高塩土壌条件下における登熟期の穂首における塩濃度の品種間差は現在分析中である。
トルコ共和国の様々な耐塩性を含むコムギ41品種を開花後に一週間穂培養を行った。培地のNaCl濃度は昨年度の実験などからイネに比べ高い濃度まで(0~30 mM)設定した。その結果、30 mMにおける相対子実重(処理区1子実重/培地濃度0mMでの1子実重)は0.75から1.15まで幅広い分布を示し、平均値は0.97で変動係数は12%であった。このようにコムギでは子実重がの塩感受性が異なり、むしろ増加する品種も認められた。ただし、塩土壌下での穂首への塩移行の品種間差については現地調査が出来なかったため結果が得られていない。
このようにイネ及びコムギにおいて子実自体の塩耐性がみとめられた。塩土壌条件下での子実への塩移行についてはイネでは分析が終わってないため、コムギでは現地調査が実施できなかったため結果がが得られていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

イネにおいては子実成長の耐塩性が異なる品種について穂培養による子実の塩耐性の違いが明らかにされつつあり、さらにコムギでは多様な品種について穂培養による子実成長の塩耐性の多様性が明らかにされ耐性品種の選抜が出来た。このことから当初の計画はおおむね順調に進展している。ただし、コムギについて現地における塩害地の調査がCOVID19による渡航困難により実施されていない。

今後の研究の推進方策

イネ及びコムギの穂培養による塩耐性の取りまとめを行う。一方の植物体内への塩の取り込みと子実への移行減少についてはイネでは栽培実験データの収集を引き続き行う。コムギについてはトルコにおける塩害地における現地調査ための打ち合わせと調査を行う。これらからイネとコムギにおける子実成長の耐塩性とその機構を明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

トルコにおける塩害地におけるコムギの現地調査がCOVID19による移動制限によって行えなかったため、研究がすすめられなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [国際共同研究] チュクロバ大学農学部(トルコ)

    • 国名
      トルコ
    • 外国機関名
      チュクロバ大学農学部
  • [雑誌論文] イネ止葉における緑葉維持能力の多様性2021

    • 著者名/発表者名
      小葉田 亨, 富阪 康平, 篠永 美和, Shaobing Peng
    • 雑誌名

      日本作物学会紀事

      巻: 90 ページ: 177-181

    • DOI

      10.1626/jcs.90.177

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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