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2021 年度 実施状況報告書

ダイズの一斉登熟性を引き起こす窒素再転流の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K05999
研究機関佐賀大学

研究代表者

鄭 紹輝  佐賀大学, 農学部, 教授 (90253517)

研究分担者 藤田 大輔  佐賀大学, 農学部, 准教授 (80721274)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードダイズ / 一斉登熟性 / 老化 / 窒素転流 / 遺伝子発現
研究実績の概要

本研究では、ダイズの一斉登熟性に関わる窒素制御機構を明らかにする目的で、2021年度では、シンクとソースのバランスによる制御を窒素及び炭素の両方から確認し、さらに前年度にダイズ登熟過程における遺伝子発現の網羅的解析(RNAシーケンス)によって確認された関連性があるいくつかの遺伝子発現についても調査した。
シンク/ソースのバランス実験では、ダイズ品種フクユタカを用い、子実肥大中期(R6期)に窒素では、対照区(100ppm)に対し、低窒素(5ppm)及び高窒素(400ppm)処理、また炭素では炭素制限区(33%と66%摘葉)及び炭素増強区(33%と66%摘莢)、さらに、窒素と炭素の組み合わせ処理も行った。
その結果、低窒素及び低炭素区では一斉登熟傾向、高窒素及び高炭素区では青立ち傾向を示したが、組合せ処理では低炭素(摘葉)にも関わらず、高窒素で青立ち傾向を示したが、高炭素(摘莢)では低窒素によってわずかに老化が進んだ程度でした。摘莢の強度が強すぎたように考えられた。
また、関連遺伝子発現では、一斉登熟性促進関連遺伝子(GmSGR,GmATG8cなど)は炭素の影響は受けず、莢や葉の除去処理のダメージのために両処理区で低発現になった可能性があると考えられる。一方、一斉登熟性抑制関連遺伝子(GLYMA13G02510、GLYMA06G11430)は、高窒素で高発現、低窒素で低発現の傾向が出たものの、シンク・ソースのバランスの影響はあまり現れず、今回測定した一斉登熟性抑制関連遺伝子は硝酸還元反応の働きがあることから、炭素の影響よりも窒素の影響を受けやすいと考えられる。
今後はシンク/ソースのバランス制御方法の検討、関連遺伝子発現の継続測定とともに、光合成生理関連酵素活性についても解析を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由


本研究は、ダイズの一斉登熟機構を窒素と炭素の需給バランスから解明しようとしており、これまでシンク・ソースのバランスの崩れによる葉の老化遅延は炭素よりも窒素が主導的な役割を果たしていることを明らかにし、また、それにかかわる対象遺伝子もいくつかわかってきた。しかし、それらの作用機作の生理的解明については、まだ不明なところが多く、これからの課題である。

今後の研究の推進方策

一斉登熟現象において、窒素の多寡と炭素の多寡の相互作用をより明らかにするとともに、関連制御遺伝子の作用機作をさらに解析していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

国際学会の延期により出張旅費が支出できなく、また遺伝子解析に予算を多く配置予定で予定で残金が予定より多くあった。これらの項目については最終年度で行う予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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