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2020 年度 実施状況報告書

西南暖地における飼料用ダイズの多回刈り技術の基礎的研究ー刈取り高さと踏圧回数ー

研究課題

研究課題/領域番号 19K06000
研究機関宮崎大学

研究代表者

石垣 元気  宮崎大学, 農学部, 講師 (80584573)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード飼料用ダイズ / 再生性 / 刈取り高さ / 害虫管理技術 / LEDライトトラップ
研究実績の概要

本研究では,南九州・沖縄において,多回刈り飼料用ダイズ生産体系の確立を上位目標としている.2020年度は2019年度に引き続き,フクユタカ,小浜大豆(以後,コハマと記載)および秣食豆公503(以後,秣食と記載)を用いて,ダイズ単播条件下において,異なる刈取り高さにおける再生性を中心に調査した.その結果,2019年度と同様にフクユタカおよびコハマは刈取り高さを12-13cmにすることで1番刈り後も再生し,2番草も収穫することができた(論文投稿中).次に暖地型イネ科牧草ローズグラス(Chloris gayana kunth.)との混播条件下において,刈取り高さ12-13cmで1番草(ダイズおよびローズグラス)を刈り取った所,ダイズはごく一部の個体しか再生しなかった.また,再生したダイズ個体の茎径は,再生しなかったダイズ個体よりも太かった.このことから,ローズグラスとのまたはダイズ個体同士の競合によって,個体の生育度合が不十分な状態で刈取りを行った場合,再生に必要なソースが不十分となり,再生しなかったと考えられた.今後,ローズグラス混播条件下におけるダイズの個体密度や刈取り時期の違いがダイズ個体の再生に及ぼす影響について詳しく調査する必要がある.
国内におけるダイズの飼料用としての栽培利用における課題として,ダイズを加害する主要害虫(ヒメコガネ,ハスモンヨトウなど)に対する登録農薬がなく,有効な害虫管理技術が検討・確立されていないことがあげられる.そこで追加課題として,ローズグラス・ダイズの混播条件下における,市販LEDライトトラップの有効性について検証した.その結果,市販LEDトラップを用いたヒメコガネ成虫の防除効果はある程度見込めるものと考えられ,本機器の有効距離は3mから57mの間にあるものと推察された(論文投稿中).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の上位目標である多回刈り技術を確立するためには,まず,ダイズの再生が可能となるような刈取り方法を明らかにする必要がある.2019年・2020年度の研究によって,中晩生~晩生のダイズ系統を,子葉節位置よりも高い位置で刈取りを行えば,再生が可能であることを明らかにした.一方で,ローズグラスとの混播条件ではダイズ個体の生育度合によって再生性が低下することが示唆され,今後の実証レベルでの検証において重要な知見が得られた.
また,市販LEDライトトラップを用いたコガネムシ類の防除管理技術についても具体的な知見を得ることができた.このことから,現在までの進捗状況としては,概ね順調に進展していると評価した.

今後の研究の推進方策

2019年・2020年度の研究によって,中晩生~晩生のダイズ系統を,子葉節位置よりも高い位置で刈取れば,再生が可能であることを明らかになったが,これらの再生性・再生程度は,暖地型イネ科牧草との混播条件で大きく低下した.また,飼料用ダイズを加害(食害)するコガネムシ類に対しては市販LEDライトトラップで管理することができることが明らかになった.
このことから,今後の研究の推進方策として,
1)暖地型イネ科牧草との混播条件下におけるダイズ個体密度や大型機械での踏圧条件下における再生性の調査
2)市販LEDライトトラップ装置を使った,コガネムシ類の防除管理技術(有効距離の再検証)
の2本を計画している.

次年度使用額が生じた理由

当該年度の研究課題の目標が達成した時点で、これ以上に購入する物品等が発生しなかっため、次年度への繰越しを判断した。しかしながら、小額の繰越し額であるため、今回の繰越しによって、次年度の予算使用計画に大きな変更は生じない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of Different Growth Stages on Biomass Weight and Forage Quality of Different Growth Type Soybean (Glycine max)2021

    • 著者名/発表者名
      Sidik Pras Yogi、Ishigaki Genki、Hashiguchi Masatsugu、Akashi Ryo
    • 雑誌名

      Asian Journal of Plant Sciences

      巻: 20 ページ: 256~262

    • DOI

      10.3923/ajps.2021.256.262

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] LEDライトトラップを用いた飼料用ダイズの主要害虫管理技術に 関する基礎的研究2021

    • 著者名/発表者名
      石垣 元気・高橋 京史・Yogi Sidik Prasojo・明石 良
    • 学会等名
      日本草地学会

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公開日: 2021-12-27  

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