研究課題/領域番号 |
19K06011
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
立澤 文見 岩手大学, 農学部, 准教授 (30320576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 花色 / 花色素 / アントシアニン / 園芸学 |
研究実績の概要 |
新花色品種を効率よく育成するための花色と花色素の体系化に関する研究の中心となる植物の内、ロベリアの未同定色素の構造解析および花色発現に関する再現実験が終了し学術論文として発表した。ここでは、アントシアニンによる花色のパターンは青紫色と赤紫色の2種類に分類されたが、赤紫色では非アシル化デルフィニジン配糖体の品種とポリアシル化シアニジン配糖体の品種が同等な花色であることが分かった。さらに、赤紫色の非アシル化デルフィニジン配糖体の品種とポリアシル化デルフィニジン配糖体の品種を比べると、ポリアシル化デルフィニジン配糖体の品種は非アシル化デルフィニジン配糖体の品種より劇的に青色味を増していることがはっきりした。この結果、ロベリア園芸品種では花色発現において、分子内コピグメンテーションが赤紫色と青紫色のいずれにおいても花色発現の主な要因となることが確認できた。その他、色素構造が判明しているガーデンダリアおよびキンギョソウの花色と花色素についても体系的にまとめることができた。 さらに、本研究の中心テーマの内のプリムラの栽培と未同定色素の精製および構造解析を行い、それらの精製色素を用いた発色機構の解明により学術論文として発表した。さらに、色素構造が判明しているバーベナの花色と花色素の体系化には、最も花色が豊富なシリーズの1つである“オブセッションシリーズ”を選び研究を進め、生花弁のスペクトル再現のための実験が終わり次第、論文としてまとめる準備が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画書に予定していたプリムラとロベリアは順調に進んだが、バーベナの色素は非常に不安定で実験が難しく、時間がかかっている。さらに、測定器の故障やコロナの影響からいろいろな面で影響が出た。しかし、残る実験は少なく、令和4年度内には論文作成まで完了できるところまで来ている。
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今後の研究の推進方策 |
バーベナの生花弁のスペクトル再現実験を終了させ、花色と花色素の関係を体系的にまとめ、論文としてまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響や測定器の故障による実験の遅れが出ている。現在最終実験を進めており結果がまとまり次第、論文として投稿する予定である。残りの予算は最終実験のための消耗品費、論文作成のための英文校閲費、および論文投稿料である。
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