本研究では,カンキツ果実におけるキサントフィルのエステル化機構を解明するために,果実におけるキサントフィルエステルの含量の季節変動を調査した。その結果,果実の成熟に伴いキサントフィルエステルの含量が増大し,成熟した果実には85%以上がエステル体として存在していた。また,マイクロアレイ解析を用いて,キサントフィルのエステル化に関わる遺伝子を探索した。CitXES1,CitXES6,CitXES7,CitXES8およびCitXES9の発現レベルはエステル体含量の季節変動と似たような発現を示した。よって,これらの遺伝子はカンキツ果実においてキサントフィルのエステル化に関わる遺伝子であると考えられた。
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