トマト果実発達後期における肥大速度の低下現象について,‘Micro Tom’を供試し,着果後380℃日を目安に温度・塩ストレス・エスレル処理を開始し,果皮の機械的特性・乾物増加・糖代謝酵素活性について検討した. 低温管理(20/8℃)は,着色までの日数を長くし,シンク活性を維持した.果皮の引張試験の結果,成熟の進んだ段階でも果皮の可塑性が高く,水分流入への抵抗を減じている可能性が考えられた。エスレル処理は,3日目の果実肥大速度を抑制したが,果皮硬化は起きず,その原因とは考えられなかった.塩処理による肥大抑制よりも果皮硬度の上昇は遅く,肥大速度の低下の原因とは考えられなかった.
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