食感は果実の品質を決定する重要な要素である。本研究では、果肉軟化とともに生じる食感形成のうち、特に低温によって誘導される異常食感について着目し、食感を客観的に評価する方法について検討するとともに、細胞壁多糖類構成成分の変化に関わるグリコシダーゼ類と食感形成の関係について検討した。その結果、異常食感の一つである粉質は果肉組織の壊れやすさが影響していることが示され、果肉ディスクを等張液中で振とうした際の崩壊度を調べる方法が、その評価に適していることが明らかとなった。また、細胞壁多糖類の代謝に関わるα-アラビノフラノシダーゼの特定のアイソザイムが粉質に関与している可能性が示唆された。
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