高温下におけるトマトの肥大不良果発生に関しては1960年代に詳細研究が行われているものの、現在の品種および施設環境に見合う技術開発のためには明らかにすべき課題が残されていた。本研究では、近年の国内主力品種について形態的解析により高温下における果実肥大特性を明らかにし、また、独自に選定した関連遺伝子の発現解析により肥大不良果の発生条件および発生回避条件を特定した。遺伝子発現解析を利用した発生条件の特定は他に例を見ない新たな知見である。また、本成果は肥大不良果発生を回避するための新たな温度制御技術の開発に繋がるものであり、夏秋期のトマト収量増加が見込まれるため社会的意義も大きいと考える。
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