近年では環境ストレス耐性の向上が重要な育種目標の1つに挙げられている。その背景として、温暖化がもたらす異常気象による不作、塩類集積土壌や乾燥地の土地活用などがある。例えば全米のレタス生産量の74%を産出するカリフォルニア州では異常干ばつによるレタスの減収が深刻な問題となっている。レタスの環境ストレス耐性が向上すれば、国内外において不良環境下での品質維持や適応作型の拡大に貢献できる。本研究成果により、非ストレス時の生育が抑制されず、温暖化等による異常気象にも対応が可能な実用性のある品種育成が期待できる。またレタスを材料としたことでキク科植物のストレス耐性機構の解明が学術的に前進した。
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