近年、温暖化の進行によりカンキツかいよう病の被害が深刻化し、抵抗性品種の開発が急務となっているが、ポンカンなどの圃場抵抗性育種素材のメカニズムは不明である。本研究により、ポンカンとヒュウガナツが示すカンキツかいよう病抵抗性に、葉の油胞組織にあらかじめ高含有に蓄積される香気成分リナロールが抗菌物質として寄与することが明らかとなった。ポンカンと同程度以上の量でリナロールを葉に含有したカンキツ個体を選抜することにより、カンキツかいよう病抵抗性個体を効率的に獲得することが期待され、カンキツかいよう病抵抗性育種の大幅な効率化に貢献する。
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