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(1) 野生型（日本晴）、OsAAA-ATPase1-ox および OsAAA-ATPase1-kdイネにいもち病菌を接種し経時的にサンプリングした感染葉を用いてRNA-seq法によるトランスクリプトーム解析を行った。その結果、OsAAA-ATPase1-oxイネにおいてエチレン合成およびシグナル伝達に関わる複数の遺伝子が野生型や OsAAA-ATPase1-kdイネと比較して顕著に発現上昇していることが示された。このことから、エチレンのシグナル伝達経路はOsAAA-ATPase1による病害抵抗性反応において重要な役割を果たしていることが示唆された。また、MAPKやWRKY、熱ショック、PR等の防御関連遺伝子、糖代謝や糖輸送に関わる遺伝子の発現がOsAAA-ATPase1 に依存して発現上昇していることから、OsAAA-ATPase1 は様々なシグナル伝達および代謝経路を活性化することにより病害抵抗性を誘導することが示された。これらの遺伝子の機能をさらに解析するために、WRKY遺伝子１個と糖代謝遺伝子2個について、過剰発現および発現抑制の遺伝子組換えイネを作製した。
(2) SSI2は病害感受性遺伝子（S遺伝子）の一つとして複数の異なる病原菌に対する抵抗性の制御関わっていることから、抵抗性育種への利用が期待される。イネ（コシヒカリ）化学的突然変異体集団からOsSSI2変異体の探索を行い、いもち病抵抗性を示し、かつ生育障害が比較的に軽微な変異体を１系統（Osssi2-1）選抜した。さらに、Osssi2-1をコシヒカリに２回連続戻し交配することのよりアルビノ等の不良形質を排除した。また、Bc2-F2種子を用いてOsssi2-1のいもち病抵抗性を確認した。
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