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2021 年度 実績報告書

トビケラ目昆虫における染色体進化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06067
研究機関岩手大学

研究代表者

佐原 健  岩手大学, 農学部, 教授 (30241368)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードトビケラ / 染色体進化 / BACライブラリー / FISH
研究実績の概要

n=28と考えられるホタルトビケラプライマーペアを本年度作製し、カイコ遺伝子オルソログを含むBACをPCR選抜した。BAC- FISHの結果、鱗翅目昆虫の基本染色体数n=31のうちZならびにChr27に対応する染色体に座上する遺伝子オルソログを除き、複数オルソログのマッピングが実行できた。特異シグナルが認められた97のうち89プローブがカイコ染色体との対応関係を示したことから、カイコタイプのゲノム構成であると判明した。
鱗翅目昆虫のW染色体の起源調査の一環としてヒゲナガカワトビケラ(Sm)に近縁なStenopsyche tienmushanensis (St)のゲノム情報に基づいたヒゲナガカワトビケラとカイコZ染色体の比較研究を開始した。Sm RNAseqデータを再解析し、1,395カイコオルソログからカイコZ遺伝子34を選抜した。PCR選抜によりこれらを含む23 Sm BACが獲得できた。これらBAC-DNAをプローブとしてFISHを行ったところ、17がZ、6が常染色体にマッピングされた。マッピングされたそれぞれのBACに含まれるSm遺伝子配列からStコンティグを特定したところ、ZマップBACは15(Zコンティグ)、常染色体マップBACは6コンティグ(Aコンティグ)に集約された。StのZコンティグ遺伝子モデルにおいて比較可能なカイコオルソログのうち、カイコZ遺伝子率は87.8%であった。これに対して、AコンティグのZ遺伝子率は19.6%と、Sm/StでZマップされるカイコオルソログはカイコでもZ率が高く、常染色体マップされるカイコオルソログはカイコでも常染色体率が高い事が判明した。しかしながら、進化的チョウモク昆虫のW染色体由来を特定するには至っていない。なお、本研究によってFISHによる物理マッピングが染色体レベルに満たないゲノム情報の連結に有用であることが示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] コウモリガにおけるBACライブラリー構築2021

    • 著者名/発表者名
      依田直哉・北島博・鈴木剛・藤本章晃・安河内祐二・佐原健
    • 雑誌名

      東北蚕糸・昆虫利用研究報告

      巻: 46 ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ミトコンドリア配列が異なるキタキチョウの簡易判別法2021

    • 著者名/発表者名
      竹内悠真・佐原健
    • 雑誌名

      東北蚕糸・昆虫利用研究報告

      巻: 46 ページ: 6-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] カイコSxl変異系統の維持について2021

    • 著者名/発表者名
      小原聡大・竹内洋子・酒井弘貴・佐原健
    • 雑誌名

      東北蚕糸・昆虫利用研究報告

      巻: 4646 ページ: 12-16

    • 査読あり
  • [学会発表] コウモリガのBACライブラリー構築とFISHマッピング2022

    • 著者名/発表者名
      依田直哉・北島博・鈴木剛・安河内祐二・佐原健
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第92回大会
  • [学会発表] 第2染色体モノソミーカイコの生殖と染色体動態2022

    • 著者名/発表者名
      瀧田燿平・吉戸敦生・佐原健
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第92回大会
  • [学会発表] 東北地方のキタキチョウにおけるボルバキア感染状況調査2022

    • 著者名/発表者名
      竹内悠真・陰山大輔・佐原 健
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第92回大会
  • [学会発表] ヒゲナガカワトビケラ属Stenopsyche tienmushanensisのZ染色体対応コンティグ特定とアセンブル2022

    • 著者名/発表者名
      藤本 章晃・本田楓・佐原 健
    • 学会等名
      日本蚕糸学会第92回大会

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公開日: 2022-12-28  

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