放線菌は土壌などの環境試料中に多く存在しており、その多くはStreptomyces属が占めている。一方で、分布数の少ない放線菌を希少放線菌と呼び、さらに分布数の少ない運動性放線菌は新規天然物の探索源として需要が高くなってきている。本件研究では従来法とは異なる器材や誘引剤を利用する事でより簡便な運動性放線菌の選択分離法を提案する事を目的とした。様々な検討を行った結果、簡便な器材のみで実施が可能なバルク土壌集積培養法とその改良法を開発することに成功した。この方法によって得られる運動性放線菌は新種推定株が多いことが分かった。うち1株について詳細な分類学的研究を行ったところ、新種であると同定した。
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