サンゴ礁の脅威の一つとなりつつある、サンゴ被覆性海綿Terpios hoshinotaの分布、成長率、幼生放出パタ-ン、共生シアノバクテリアの密度等を測定した。奄美列島から与那国島までのほとんどのサンゴ礁で確認できた。成長率は月28mmであり、温度と正の相関があった。共生シアノバクテリアは高密度であった。幼生放出が夏期の深夜にあり、7-11月の長期に渡って放出していることがわかり、今後の爆発的な拡大も懸念される。本種個体には自他認識機構があり、また、海綿組織に産卵する巻貝も発見した。本海綿の動態を解明する上で、基礎的な情報を収集することができ、今後のサンゴ礁保全に寄与できる。
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