研究課題/領域番号 |
19K06096
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
炭山 大輔 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (40565339)
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研究分担者 |
安齋 寛 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70168029)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 薬剤耐性菌 / 環境汚染 / ヤンバルクイナ / 大腸菌 / 希少種保全 |
研究成果の概要 |
沖縄県北部に位置するヤンバル地域に生息する希少種ヤンバルクイナおよびその生息環境試料(土・水)における薬剤耐性大腸菌(AMR大腸菌)保有率を、人間の生活(畜産農場周辺)地域(LA)と森林地域(FA)で比較検討した。その結果、AMR大腸菌保有率は、ヤンバルクイナおよび生息環境試料の両者ともにFAよりLAにおいて有意に高く、多剤耐性の保有率も高いことが明らかになった。さらにAMR大腸菌の遺伝子型解析により、LAから採取された土壌とヤンバルクイナ糞便の遺伝子型が一致した。これらのことから、LAではよりAMR大腸菌による環境汚染が進んでおり、本種がその運搬者になってしまうリスクが考えられた。
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自由記述の分野 |
保全生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、沖縄県北部ヤンバル地域にのみ生息する希少鳥類ヤンバルクイナの糞便および本種の生息環境試料(土や水)を対象に、人間生活からの環境汚染の影響が考えられる薬剤耐性大腸菌を指標として、畜産農家付近地域と森林地域とで保有率の比較を行った。本研究結果から、畜産農家付近の本種糞便および環境試料における薬剤耐性大腸菌保有率は森林地域より有意に高く、さらに多剤耐性検出も高いことが明らかになった。検出された大腸菌の遺伝子型解析結果から土試料と本種糞便との遺伝子型の一致も見られ、人間生活からの薬剤耐性菌漏洩が希少種への感染に及び、さらにそれらが運搬者となって森林へ拡散してしまうリスクを提唱した。
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