研究課題/領域番号 |
19K06103
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
奥寺 繁 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20625941)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 昆虫 / 半翅目頸吻亜目 / 河川植生 / 生態的回廊 / 種多様性 |
研究実績の概要 |
河川敷の植生は,都市部における生きものの生息・生育空間として生物多様性の維持に重要な役割をもつ.その連続した植生環境は,個体群供給地となる中核地区(山間部など)と拠点地区(大規模緑地公園など)を連結させるネットワーク,生態的回廊(コリドー)としても機能し,生息生育環境の分断化を防いでいる.しかし,具体的にどのような植生規模や構造がコリドーとしてより有効に機能するかを検討したものは少ない.そこで,都市部において河川植生の生物多様性保持が効果的に機能するための要因(植生構造と規模,周辺環境)を,食植性昆虫の多様性を指標として明らかにする. 北海道旭川市は,北日本では仙台と札幌に次ぐ人口密集都市であり,上川盆地に約10㎞四方の都市部とその周囲に広大な農耕地を有する.そこには河畔植生規模の異なる3つの河川,石狩川(河川区域幅約300m),忠別川(同約200m)および牛朱別川(同約100m)が流れる.各河川を調査地とし,500m~1km間隔で9ヶ所の調査地点を設定し,昆虫相の個体群供給地である山間部から都市部かけて昆虫相の変化を調べる. 半翅目頸吻亜目類(セミ,ヨコバイ,ウンカなど)を調査対象とする.この昆虫群は植食性で,種ごとに特定の寄種植物をもつため,生息環境ごとに特有の種組成をみせる.そのため,より詳細な多様性評価が可能となる有用な指標性昆虫である.頸吻亜目は生態系内の低次非捕食者であるため,本群の多様性はそのまま高次捕食者の多様性と繋がり,生態系全体の多様性の目安とすることも可能と考えられる. 研究初年の本年度は,昆虫相の個体群供給地である旭川嵐山地域の昆虫相の調査を行い,旭川のもっとも自然度の高い地域の種多様性を把握することができた.来年度以降に各河川の昆虫相の調査を行い,比較検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
旭川市の基礎となる山間部での昆虫相の把握が行えたため,研究の進展は順調といえる.
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目から,河畔植生規模の異なる3つの河川,石狩川(河川区域幅約300m),忠別川(同約200m)および牛朱別川(同約100m)の各河川を年度ごとに1年間ずづ調査を行う.各河川において500m~1km間隔で9ヶ所の調査地点を設定し,昆虫相の個体群供給地である山間部から都市部かけて昆虫相の変化を調べる北海道では近年夏季の大雨と大規模な河川増水が頻繁している.そのため調査地候補の河川敷が大きく攪乱される可能性があるが,その際には別の調査地を設定し対応していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度にモバイルパソコンの購入を予定していたが,私物のパソコンで代用できたため購入を見送った.また,顕微鏡の購入を予定していたが,今年度の作業内容を確認してから機種を選定することにしたため,次年度に購入を予定している.
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