研究課題/領域番号 |
19K06105
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
原科 幸爾 岩手大学, 農学部, 准教授 (40396411)
|
研究分担者 |
出口 善隆 岩手大学, 農学部, 准教授 (40344626)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | エコロジカルネットワーク / 都市緑地 / コリドー / ニホンリス / 遺伝的多様性 |
研究成果の概要 |
盛岡市のパッチ状に点在する都市緑地に生息するニホンリスの追跡調査と遺伝子解析によって樹林地間の移動実態と遺伝的多様性を明らかにした。計25頭のリスの追跡調査から204回の移動が確認され,街路樹がコリドーとして機能していたが,幹線道路を超えた移動は極めて少なかった。本種の交尾期にあたる樹冠開放期には移動頻度が低下し,移動道頻度の高いオスの成獣による移動よりも亜成獣による出生分散の方が遺伝子交流に寄与していることが示唆された。捕獲した36頭の遺伝子解析から対象地では遺伝子交流は比較的行われていることが分かったが,距離的に孤立した1つの樹林地群でのみ他の樹林地群との遺伝的な関係が認めらなかった。
|
自由記述の分野 |
緑地環境学,地域生態管理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
都市における生物多様性保全を目的としたエコロジカルネットワークの形成に関する議論は,主に都市緑地や生物相の空間分布に基づいて行われてきたが,動物個体の移動やその結果としての遺伝的多様性といった機能面からの評価はされてこなかった。本研究は,実証的なデータに基づいて動物の移動経路を明らかにした上で,生息地間の連結性がどの程度なら遺伝的多様性が保たれるかを明らかにした点において,エコロジカルネットワーク形成に資する学術的意義および社会的意義を有すると考える。
|