研究課題/領域番号 |
19K06123
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
粟屋 善雄 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (90353565)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 航空レーザ / 落葉広葉樹林 / 葉群 / 葉面積指数 / 空間分布 / Beer-Lambert則 |
研究実績の概要 |
2021年2月末に右膝を骨折し、そのリハビリのため2021年度は予定通りに研究を実施できなかったが、以下の調査研究を実施した。2つの広葉樹林プロット(Plot4,5)において、10月21日~11月2日にかけて光量子センサを高さ別に10m、7m、4m、1.5mに設置して、高さ別の光環境の違いを計測した。葉群分布の解析に利用している2つの航空レーザのひとつが2016年10月26日頃に観測されたことから、葉量の似た条件での光環境の計測を目指した。葉による光の減衰を記録できたことから、2016年に観測された航空レーザの検証が可能になった。林冠の葉群の実態を把握するため、9月29日から12月7日の間に8回リタートラップで落葉を収集して葉重量を計測して葉量の変化をモニタリングした。その結果、各広葉樹林の葉量(乾燥重量)はplot4の林分で3.4ton/ha、plot5の林分で2.8ton/haだった。リターの回収に合わせて全天写真を撮影するとともに、光量子センサの観測期間中にドローンで空撮を6回実施してオルソ画像と樹冠高データを作成し、樹冠における着葉状況を記録した。 一方、2012年8月に観測した航空レーザのデータを利用して葉群解析を進め、その結果を国際誌に投稿する準備を進めている。2012年のレーザデータの解析からは林冠を鉛直方向に3階層に分割して階層ごとに葉量(葉群分布)を推定するほうが、林冠を1層として葉量を推定する場合よりも葉量の推定精度が向上することが明らかになった。この成果は本研究の目的である葉群の空間分布の推定の基礎的知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年2月末に右膝を骨折し、そのリハビリのため2021年度は予定通りに研究を実施できなかった。そのような状況下で骨折前に2020年度までに実施した調査・解析の結果を取りまとめて、現在、国際誌への投稿準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2012年に観測された航空レーザデータの解析結果を国際誌に投稿することを目指す。現在、日本語で草稿を作成し、英文化の準備を整えている。また、落葉途中に観測された2016年10月の航空レーザデータの特徴をこれまでに収集した地上調査のデータで検証し、2012年データに比べて葉量が少ない季節に観測された航空レーザデータと葉量や葉群分布の関係を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年2月25日に右膝の膝蓋骨を骨折した。骨折の回復とその後のリハビリのために、この研究に限らず、業務全般が大幅に遅れた。このため次年度使用額が生じることとなった。夏季に観測された航空レーザデータを解析した2020年度までの研究成果の取りまとめが終っていることから、英文化して国際誌へ投稿するため、おもに英文校閲や投稿料として研究費を使う。また、秋季に観測された航空レーザデータの解析のために補足の地上調査と解析を実施する予定である。
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