これまで、菌根菌への炭素配分はホストである植物根の呼吸と一括りにされほとんど無視されてきた。また、従来の菌根菌呼吸の測定は、あくまで林分レベルでの測定であった。そのため、複数樹木の根系が混合値しか得られず、また呼吸速度そのものが低かった。菌根菌呼吸は、宿主樹種、菌根菌種、根サイズ、先行光合成量などによって異なると考えられる。こうしたより詳細な応答を調べるには、各樹種の根端レベルでの呼吸測定手法が必要である。そこで本研究は、シリンジ型マイクロチャンバーと殺菌剤を組み合わせた、先端根圏における菌根菌呼吸速度の測定手法を開発した。そして、菌根菌呼吸が宿主樹木の生活型により異なることを明らかにした。
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