理論的には無性繁殖の方が有性繁殖より有利であると考えられており、「有性繁殖の進化」は生物学上のパラドックスの1つといわれている。アポミクシスは有性生殖器官を利用して行う無性繁殖である。アポミクシス植物の可能性があるドクダミの訪花昆虫相観察や花への袋掛け実験・種子の播種実験から、ドクダミは目立つ白い花序をつけ、昆虫を引き付けるにもかかわらず、実際には昆虫による送粉を必要とせず結実し発芽することが可能であり、アポミクシスによる無性繁殖を行っていることが示された。また、MIG-Seq法によるゲノムワイドなSNP解析を用いてドクダミの遺伝的多様性と個体群の遺伝的な分化の程度について明らかにした。
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