クローナル植物の個体のDNAメチル化状態により群落の形成過程を推定する方法の開発をめざした。森林性クローナル低木ヤブコウジArdisia japonicaのマイクロサテライトマーカーを開発しジェネット(遺伝的個体)を識別した。1.3 x 1.7 kmの調査区のサンプリング箇所の73%を3つのジェネットが占め、その範囲は半径1 km程度にもなった。高効率なMSAP(メチル化感受性増幅断片長)法によりラメット間のDNAメチル化遺伝子座の変異を解析した。地下茎でつながったラメットでは、当年葉より前年葉のDNAメチル化の違いは大きかった。しかし、ラメットの系譜とDNAメチル化との関係は見られなかった。
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