団粒が発達した森林土壌は浸透・透水性が高く,水土保全上重要な役割を担う。しかし近年,大型林業機械の導入が進み,土壌攪乱による団粒破壊に伴う森林土壌の水土保全機能の低下が危惧される。本研究では攪乱された土壌の再生を目標に,破壊された団粒の再生に関して,その可能性や,再生に関わる要因や必要な時間に関して検討した。その結果,野外条件下においても団粒が短期間で再生すること,団粒の再生には適度な乾燥と湿潤の繰り返しが重要であること,団粒再成に伴う土壌物理性の回復には土壌表面の被覆が重要な役割を果たすことなどが明らかになった。これらの知見は土壌再生に向けた今後の取り組みの大きな指針となるものである。
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