メーラー反応と系Ⅰサイクリック電子伝達反応は共に1950年代に発見された。植物の光ストレス耐性との関連でいずれにも数多くの研究がある。しかし、先行研究の多くは草本植物(各種主要作物、近年ではモデル植物)においてであり、裸子植物や針葉樹での例は皆無であった。草本植物における研究においてメーラー反応は無視しうる程小さいとされ、且つ、系Ⅰサイクリックも生理学的条件下では機能しないとの認識が最近まで主流であった。本研究の成果によって今後、裸子植物(針葉樹)の光ストレス耐性の仕組みや制御に関する研究が進むと期待される。草本植物における両反応の意義を再び検証する契機ともなりうる。
|