タケ・ササ類が生成する生体鉱物「植物ケイ酸体」の土壌理化学性へ与える影響を解明するために、その粒子の大きさに着目し、植物体中に含まれる植物ケイ酸体を土壌の粒径区分(砂、粗シルト、細シルト、粘土)(USDA法)に従って分画・定量する手法を開発した。本手法をモウソウチクおよびササ(チシマザサ節)の枯葉に含まれる植物ケイ酸体に適用した結果、両者ともに砂は1%以下と非常に少なく、粗シルトが20%程度、細シルトおよび粘土が各35~45%であることが明らかとなった。また、器官別野外分解試験の結果、稈に比べ葉と細根の分解速度が速く、葉と細根に由来する植物ケイ酸体が早期に土壌に供給される可能性を見出した。
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