廃菌床の断熱材としての利用可能性を探るため、熱伝導率、強度、半炭化による断熱性改善の可能性、断熱性の発現メカニズムを調べた。廃菌床をそのままの寸法状態で乾燥させた場合(密度200kg/m3程度)、熱伝導率は0.05W/mKで断熱性は良好であったが、強度は軟質繊維板の半分以下となった。半炭化による断熱性向上と強度低下のトレードオフ関係を木材で調べた結果、約15%の熱伝導率低下で強度は半減した。この結果より、強度の低い廃菌床への半炭化は不適と判断され、別の手法として圧縮乾燥を採用した。圧縮乾燥で得た密度範囲200~600kg/m3の廃菌床は、その熱伝導率が木材とほぼ同等であることが分かった。
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