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2021 年度 実施状況報告書

きのこβ-1,6-グルカンを認識する新規受容体の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K06166
研究機関宇都宮大学

研究代表者

金野 尚武  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (60549880)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードきのこ / β-グルカン / 多糖 / 機能性食品
研究実績の概要

β-1,6グルカンの免疫賦活機能を評価するために、各種β-グルカンを用いて、マクロファージ様細胞(RAW264.7)を用いた細胞試験を行った。シイタケ抽出物(熱水抽出物またはアルカリ抽出物)、コンブ由来のラミナリン、シイタケ由来のレンチナン、イワタケ熱水抽出物、ゲンチオビオース(β-1,6グルカン2糖)、β-1,3グルカン3-5糖を用いて試験を行った。なお、酵素合成したβ-1,6グルカンについては収量が少なく繰り返しの試験に用いることが困難なため、上記の試験で方法を確立した上で試験に用いることとした。RAW264.7培養液に、終濃度: 100 μg / mLとなるように各種サンプルを添加し、4時間インキュベートした。細胞からRNAを抽出しcDNAを調製した後、リアルタイムPCRを用いてTNFαの発現量を分析した。その結果、イワタケ熱水抽出物において、TNFαが高発現する傾向が認められた。一般的な真菌類は細胞壁中にβ-1,6グルカンのみならずβ-1,3グルカンなどの多糖類も含む。一方でイワタケの細胞壁はβ-1,6グルカンのみが主に含まれていることが知られている。実際にイワタケ熱水抽出物にβ-1,6グルカンが含まれることをNMR解析で確認した。さらに純度の高いβ-1,6グルカンを調製するため、熱水抽出物に対して様々な処理を行ったところ、アルカリ洗浄が不純物の除去に有効であることがわかった。しかしながら、得られたサンプルを上記のRAW264.7細胞試験に供したところ、TNFα発現が安定しなかった。また、水への溶解性が低下しゲル化しやすい傾向が認められ、カラムでの分離や各種試験に用いることも困難であった。そこで、β-1,6グルカナーゼで処理し、ある程度低分子化することで、扱いやすい試料になるよう検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度に新型コロナウイルスの感染拡大防止への対応(研究室の部分的な閉鎖)のため実施できなかった細胞試験を、2021年度に実施したために遅れている。研究期間の1年延長を申請し、許可されている。

今後の研究の推進方策

イワタケ熱水抽出物、ゲンチオビオース(β-1,6グルカン2糖)、β-1,3グルカン3-5糖を用いて、RAW264.7細胞試験に供しRNAシークエンスを行う。特徴的な遺伝子を探索し、β-1,6グルカン受容体候補遺伝子、およびβ-1,6グルカンによって発現量が上昇する遺伝子群を明らかにする。一方で、アルカリ処理により構造や成分がどのように変化するのか調べることで、β-1,6グルカンおよびイワタケ抽出物の機能特性も明らかにしたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

RNAシークエンスを2022年度に延期したため。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] きのこ由来成分を活用した機能性β-1,6-グルカンオリゴ糖の調製2022

    • 著者名/発表者名
      横山陽奈、金野尚武、羽生直人
    • 学会等名
      第72回 日本木材学会大会
  • [学会発表] シイタケ菌糸体による各種バイオマス素材分解能の解析,2022

    • 著者名/発表者名
      木村栄美、金野尚武、羽生直人
    • 学会等名
      第4回高分子学会関東支部北関東地区講演会
  • [学会発表] シイタケが生産する多糖類分解酵素群の生化学的解析とその応用2022

    • 著者名/発表者名
      金野尚武
    • 学会等名
      日本きのこ学会第24回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] シイタケ菌床栽培において菌糸蔓延時に分泌される酵素群の解析2022

    • 著者名/発表者名
      小林菜々恵、和田凪左、金野尚武、羽生直人
    • 学会等名
      第72回 日本木材学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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