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2021 年度 実績報告書

自然がつくるネットワークの強さの秘密とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K06171
研究機関九州大学

研究代表者

巽 大輔  九州大学, 農学研究院, 准教授 (60293908)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードネットワーク / 葉脈 / パターン / フラクタル / 導電性 / 3Dプリンタ
研究実績の概要

効率良くエネルギーや物質を輸送する役割を担っているパターンを見出すため、双子葉植物の葉脈を用いた電気伝導性の検討を行った。葉脈に見られるような「樹枝状ネットワーク」は分岐をもつ自己相似図形を形成しているという特徴があり、葉脈の場合は効率良く水を輸送する役割を担っている。このような樹枝状ネットワーク回路を材料に導入することが可能となれば、これまでに見られないような効率の良い機能(今回の場合はとくに導電性)発現につながる材料を設計することができる。そのため、上記のネットワーク構造と導電性との相関の理解は極めて重要な基礎的知見となる。そこで本研究では、葉脈を模倣した樹枝状自己相似図形を導電性材料で作製し、枝分かれの広がり方向による特性の違いを明らかにした。すなわち、葉脈から取り込んだ図形の特徴をフラクタル次元により評価し、その導電性は通電方向を変えて検討した。
双子葉植物の図形パターンを、3Dプリンタを用いてPLAフィラメントにより3次元構造体として作製した。導電性塗料としてドータイトを造形物表面に塗付し、室温乾燥させ、直流電源に接続した。得られた電流値から導電率σを算出し、これを使用ドータイトあたりの重量で補正した。樹枝状自己相似図形の評価法としてネットワークのフラクタル次元Dを算出した。
フラクタル次元Dに対する補正導電率の変化を検討した結果、葉の柄から先端方向に電子を通電した場合と、その逆方向に通電した場合とでは、補正導電率とDの相関関係は異なった。このことから、葉脈を模倣した自己相似図形の導電性がフラクタル次元Dに依存するとともに、方向依存性があることが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 時空間スケールの見方の味方 ~散乱とレオロジー~2022

    • 著者名/発表者名
      巽 大輔
    • 雑誌名

      Cellulose Communications

      巻: 29 ページ: 2-8

  • [学会発表] 巨視的ネットワークパターン付与によるセルロース材料の機能創発2021

    • 著者名/発表者名
      巽 大輔、坂上なるみ、近藤哲男
    • 学会等名
      セルロース学会第28回年次大会
  • [学会発表] 水中カウンターコリジョン法を用いたセルロースⅡ結晶をもつナノセルロースの調製2021

    • 著者名/発表者名
      巽 大輔
    • 学会等名
      第15回多糖の未来フォーラム
    • 招待講演
  • [図書] 分散系のレオロジー2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木 洋
    • 総ページ数
      436
    • 出版者
      エヌ・ティー・エス
    • ISBN
      4860437314
  • [図書] 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例2021

    • 著者名/発表者名
      執筆者:57名、技術情報協会
    • 総ページ数
      589
    • 出版者
      技術情報協会
    • ISBN
      4861048664
  • [備考] 九州大学高分子材料学研究室

    • URL

      http://ffpsc.agr.kyushu-u.ac.jp/pol/

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公開日: 2022-12-28  

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